一瞬にして胸が締め付けられ、涙が溢れ出しそうになった。
Column by
小橋めぐみ 小橋めぐみ
女優。1993年デビュー以来、ドラマ、CM,舞台と幅広く活躍中。
趣味は、映画鑑賞と読書。茶道や俳句など日本文化への造詣も深い。
日常のことを綴ったdiary などの 公式HP。
また、 ブログ では、
コスメや沖縄のグルメなどを日々更新中。
公式HP
ブログ
映画の冒頭。そこに登場したのは、シエナミラー演じるイーディ。
彼女の少しハスキーな声、仕草、佇まい。天性のカリスマ性。
1960年代、アンディウォーホルはニューヨークに“ファクトリー”という
スタジオを構え、そこで後世にも多大な影響を与える傑作を次々と生み出していた。
(200個のキャンベル・スープ缶は、あまりにも有名ですね!)
そのファクトリーは、作家、俳優、ミュージシャンなどが集まる場となり、いつも活気に溢れていた。
そんなウォーホルが一目で心を奪われたのは、良家の才女であり、開放的でありながら奥ゆかしさも併せ持つ、とびきり魅力的な女の子、イーディ・セジウィック。
すぐさま彼は自分の映画に彼女を出演させ、瞬く間にその時代のミューズとなったイーディ。
ヴォーグ誌の表紙を飾り、独特なそのファッションセンスで女性たちの憧れとなり、男性は虜になり、みんなが彼女に注目した。
しかし、その眩いばかりに咲き乱れたイーディの華やかなときは、長くは続かなかった。
ドラッグに溺れてしまい、またウォーホルと人気を二分するスターとの出逢いによって、ファクトリーの仲間と歪みが生じ、彼女の運命は急速に転落してゆく・・・。
時代の頂点を極めながら、酒やドラッグに溺れ、落ちてゆく物語は数多くある。
「自業自得だ」と見放す人もいると思う。
でも、このイーディは転落してゆく中にも、また違った意味の美しさがあり、純粋無垢な魂の持ち主である彼女を、どうにかして助けてあげたくなってしまう。
荒んだ生活が続いて、お金もやがて底をつき、
ボロボロになりながら、彼女はアンディの元へ向かう。
「映画の出演料を払って。」
(彼は何本もの映画に出演した彼女に、たった50ドルしか支払っていなかった!)
アンディは、「有名にしてあげたじゃないか。」と、自信満々に切り捨てる。
過去の名声は、今のイーディにはなんの役にも立たない。
アンディとイーディは、一時双子のように仲良くなっていたけれど、根本の求めるものが違っていたのかもしれない。
アンディが本当は何を求めていたのか分からないけれど、イーディが求めていたものだけは、愛だったと確かに分かる。
どんなにお金があっても。
地位や名誉も手に入れようと。
誰もが憧れる女性も。生まれたての赤ちゃんも
やっぱり人間にいちばん必要なものは、愛なんだ。と。
それを再確認させられた、とびきりお洒落でモード感溢れる、素敵で切ない映画でした。
愛と孤独の間を彷徨い、自分の居場所を探し続けているアナタに、ぜひ観てほしい作品です☆
「ファクトリー・ガール」
渋谷シネマライズほか、絶賛上映中。
公式HP:
http://www.factorygirl.jp/