小橋めぐみ presents Film column vol.2 映画「ファクトリー・ガール」

Up Date: 2008/5/1
一瞬にして胸が締め付けられ、涙が溢れ出しそうになった。

Column by 小橋めぐみ

映画の冒頭。そこに登場したのは、シエナミラー演じるイーディ。
彼女の少しハスキーな声、仕草、佇まい。天性のカリスマ性。

1960年代、アンディウォーホルはニューヨークに“ファクトリー”という
スタジオを構え、そこで後世にも多大な影響を与える傑作を次々と生み出していた。
(200個のキャンベル・スープ缶は、あまりにも有名ですね!)
そのファクトリーは、作家、俳優、ミュージシャンなどが集まる場となり、いつも活気に溢れていた。
そんなウォーホルが一目で心を奪われたのは、良家の才女であり、開放的でありながら奥ゆかしさも併せ持つ、とびきり魅力的な女の子、イーディ・セジウィック。
すぐさま彼は自分の映画に彼女を出演させ、瞬く間にその時代のミューズとなったイーディ。
ヴォーグ誌の表紙を飾り、独特なそのファッションセンスで女性たちの憧れとなり、男性は虜になり、みんなが彼女に注目した。
しかし、その眩いばかりに咲き乱れたイーディの華やかなときは、長くは続かなかった。
ドラッグに溺れてしまい、またウォーホルと人気を二分するスターとの出逢いによって、ファクトリーの仲間と歪みが生じ、彼女の運命は急速に転落してゆく・・・。

時代の頂点を極めながら、酒やドラッグに溺れ、落ちてゆく物語は数多くある。
「自業自得だ」と見放す人もいると思う。
でも、このイーディは転落してゆく中にも、また違った意味の美しさがあり、純粋無垢な魂の持ち主である彼女を、どうにかして助けてあげたくなってしまう。

荒んだ生活が続いて、お金もやがて底をつき、
ボロボロになりながら、彼女はアンディの元へ向かう。
「映画の出演料を払って。」
(彼は何本もの映画に出演した彼女に、たった50ドルしか支払っていなかった!)
アンディは、「有名にしてあげたじゃないか。」と、自信満々に切り捨てる。

過去の名声は、今のイーディにはなんの役にも立たない。
アンディとイーディは、一時双子のように仲良くなっていたけれど、根本の求めるものが違っていたのかもしれない。

アンディが本当は何を求めていたのか分からないけれど、イーディが求めていたものだけは、愛だったと確かに分かる。

どんなにお金があっても。
地位や名誉も手に入れようと。
誰もが憧れる女性も。生まれたての赤ちゃんも
やっぱり人間にいちばん必要なものは、愛なんだ。と。
それを再確認させられた、とびきりお洒落でモード感溢れる、素敵で切ない映画でした。

愛と孤独の間を彷徨い、自分の居場所を探し続けているアナタに、ぜひ観てほしい作品です☆

「ファクトリー・ガール」
渋谷シネマライズほか、絶賛上映中。
公式HP: http://www.factorygirl.jp/

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Column : Megumi Kobashi
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