小橋めぐみ presents Film column vol.4 映画「ワンダーラスト」

Up Date: 2008/12/3
「葛藤」———
心の中で相反する欲求や感情がからみ合い、
そのいずれをとるか迷い悩むこと。

Column by 小橋めぐみ

マドンナ初監督作品「ワンダーラスト」。
一体どんな作品になったのか全く検討もつかなかった。
挑発的な作品なのか、ポスターから想像するにはアート的なものなのか……?
結果。いい意味で裏切られた。健やかに。心地よく。
夢を追いながら現実と葛藤する私たちに。がつんと!

舞台は、ロンドンの片隅。
この映画の語り手でもある主人公、アンドリー“AK”クリスティアンは、自称—哲学者、詩人であり、ボーカルを務めるパンクバンド「ゴゴール・ボルデロ」と共にスターダムにのし上がりたいという夢を持っている。
そのAKとアパートをシェアしている二人の女の子、ホリーとジュリエット。
ホリーはバレエの舞台で踊る日を、ジュリエットはアフリカの貧しい子供たちを救うことを夢見ている。
しかし理想からは程遠い現実がそこにはある。
AKは、SMの調教師として生計を立てており、家賃が払えなくなったホリーは、AKの提案でストリップクラブのポールダンサーのオーディションを受け、ジュリエットは、近所の薬局のカウンターで募金を募る日々を送っている。

オーディションになんとか合格し、ポールダンサーになるも、その世界は想像以上に厳しく、トイレで号泣するホリー。

夢追い人たちは、時々、失意のどん底に突き落とされる。
理想と現実のギャップに葛藤し、泣き喚き、何をする気力も失せてしまいそうになる。

でも夢が叶うこととは別に、頑張っていると神様は、ご褒美のような瞬間をちゃんと与えてくださるのだ。

それがあるからこそ、また夢に向かって走り出すことができる。

不意に訪れるその瞬間を、この映画で観たとき、胸が熱くなった。

AK、ホリー、ジュリエット、3人の共通点は、どんなに現実が厳しくても自分の夢を片時も忘れていないこと。だからこそ、彼らの目は輝きに満ちている。

私にも夢がある。そして、葛藤の日々である。

「ゼロから作り出せ。」
映画の中でAKが言ったこの言葉を胸に、また頑張ってみようと、観終わったとき素直に思った。

「この映画で探求したテーマの一つは、葛藤でした」と、監督のマドンナは言う。
「自分のキャリアの初期を振り返ると、まるで昨日のことのように葛藤の日々が思い出せるの」と。

マドンナは夢見る力がとても強い人だ。

そのパワーがこの作品を通じて、どかんと私たちに降り注ぐ。

Text_小橋めぐみ

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Column : Megumi Kobashi
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Comments (1)

dddk3
[2008/12/4]
マドンナ監督とか見てみたいですね。
キャラクター面白そうだし。

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